DreamMachines DM1 FPSの徹底レビュー。超やわらかいケーブルがすごい!

今回はDreamMachines製のゲーミングマウス「DM1 FPS」のレビューだ。

DM1 FPSとは?

一言でいうならば大手ゲーミングデバイスメーカーであるSteelSeriesが手掛ける定番マウス「SteelSeries Sensei」のクローンモデルだ。大きさや形状がほぼ同じだが、右利きにとって邪魔な右側のサイドボタンを排除したまさに夢のマウスとなっている。著作権はどうなっているんだと思うかもしれないが、ゲーミングマウス業界ではよくあることなので、もはや気にした方が負けである。しかし冷静に見るとセンサーであったり、サイドボタンであったり、違う部分は多いのでここまで来ればもはや別物、と僕は思っていたりする。DreamMachinesの本社はポーランドのワルシャワにある。

前世代からの進化
このマウスの前世代となる「DM1 PRO S」からの進化として、センサーが「PMW3360」から「PMW3389」に新しくなり、硬くて不評だったケーブルが超柔らかい靴紐ケーブルとなっている。またメインボタンはオムロン製の定番スイッチだったが、「DM1 FPS」はHUANO製になっている。

長所

〇ケーブルが超やわらかい靴ひも系になっており、前世代よりかなり軽く感じる。
〇SteelSeries Senseniに存在する邪魔な右側のサイドボタン(右利きにとって)がない。
〇表面は鏡面加工が施されており、かっこいい。手にぴったり吸い付く。
〇小型なので手が小さい人でも持ちやすい。浮かせやすい。
〇最新のセンサーを採用しており、高精度で非常に安定している。
〇穴が開いていないマウスとしてはかなり軽い。
〇かぶせ持ちでも、つまみ持ちでもしっかり持てる。
〇直線補正や加速がそのままの状態できちんと切れている。
〇最初からついているソールがそれなりに滑る。予備も付属。
〇色の種類が多い。ここまでカラーバリエーションに富んだマウスはほぼない。

短所

×日本では代理店が販売しているものの、流通量が少なく、使用者も少ない。
×新品にはソールを保護するためのビニールが貼ってあり、気づきにくい。説明書には絵がついているが、文字でも書いてほしかった。

製品仕様

・通信方式:有線
・センサー:光学センサー「PIXART PMW3389」
・形状:右利き専用
・トラッキング速度:400 IPS
・解像度:400、800、2400、3200、4800、16000
・大きさ:横126mm、縦68mm、高さ39mm
・重量:公称83g、実測83g
・メインボタン:HUANO製ブルースイッチ、耐久性2000万回
・サイドボタン:NKKスイッチズ(旧日本開閉器工業)製のMWK 14。耐久性300万回
・ホイールボタン:HUANO製ブラックスイッチ、耐久性能不明
・ホイールエンコーダー:TTC製、24回刻み、耐久性2000万回
・リフトオフディスタンス:公称1.8mm以下。多くの布製マウスパッドで1.2~1.3mm。プラスチックは1.6mm。
・リフトオフディスタンス調整機能なし
・マイクロプロセッサ:HOLTEK製の「HT68FB560」、32bit ARM
・ドライバレス機能あり
・マクロ機能あり
・レポートレート:125Hz、250Hz、500Hz、1000Hz
・LED:搭載
・ボタン数:6個
・加速:なし
・直線補正:なし
・ケーブルは布巻きの靴ひも系でかなりやわらかい
・最大加速:50G
・保証期間:1年間
・センサー位置:中央
・参考価格:約6000円
・マウスソール:PTFE
・表面加工:鏡面加工

ケーブルがとにかくイイ!

まず使ってみて驚いたのがケーブルのやわらかさだ。ふにゃふにゃと自由自在に曲がるため、ケーブルの重さを全然感じない。だから前世代の「DM1 PRO S」と比較するとマウス自体の重さはほぼ変わらないのに、かなり軽くなったように感じる。これがとても素晴らしい。「DM1 PRO S」はケーブルが硬すぎてかなりストレスを感じていたので、この点を改善できたのは大きい。というよりも、この点を改善したくて僕は「DM1 FPS」を買ったのだ。期待以上の成果が出て大満足である。昨今はワイヤレスが流行しているが、僕の持論は「自分の手に合うマウスが一番いい」なのでこのケーブルならワイヤレスとも張り合えると思う。

左右メインボタン
左右のメインボタンに耐久回数2000万回のHUANO製スイッチを採用している。オムロン製よりもすこしだけ硬く、連打しやすい印象を受けた。僕はオムロン製よりも好きなので、個人的には高評価。ただ、内部構造というか、スイッチではなくてプラスチック側の作りにより、他のマウスよりもやや押す時に遊びがあるように感じる。これに関して言うと僕の個体では左クリックはプレイ中には何の影響もないものの、右クリックは押し込みが深いというか、押してから戻るまでにやや時間がかかるように感じる。実用的には全く問題ないものの、「Logicool G400」シリーズのような硬くて跳ね返りが強いマウスが好きな人にはあまり向いていないかもしれない。

サイドボタン
サイドボタンは出っ張っていてかなり押しやすい。ただし、出っ張っている分、押すときに持ち方が変わってマウスの抑えがやや不安定になってしまう。そのため、AIMがぶれやすいと感じた。ゲーム中はあまり頻繁に使うようなボタンにはセットしない方がいいかもしれない。

ホイール
ホイールの作りは一般的なゲーミングマウス並み。良くもないが悪くもない。回しやすいが、回し心地はゆるく感じるので、ずっと使い続けると壊れてしまうかもしれない。この作りは前世代の「DM1 PRO S」から変わっていない。僕は1年以上使っていて、壊れていないので、2年くらいは大丈夫かもしれない。

大きさ、持ちやすさ、形状
大きさはやや小さめ。最近は小さいマウスも増えてきたが、ひと昔前まではRazer Deathadderに代表されるIE3.0クローンモデルが多く、手が大きい外国人に最適化されたものばかりだった。このマウスは手が小さい日本人でも持ちやすく、女性でも十分扱える。形状はSteelSeries Senseiとほぼ同じだが、右側のサイドボタンは排除されている。かぶせ持ちでもつまみ持ちでも持ちやすく、かくいう僕はこの形状が一番手に合うので僕のメインマウスになっている。これまで数多くのマウスを使ってきたが、いまだにこの形状から卒業できないくらい、中毒性のある形状だ。浮かせやすいのが一番のメリット。

表面加工とLED
表面はツルツルテカテカで鏡のように表面に周りの景色が映る鏡面加工だ。これが手に吸い付くので非常にいい。しっかり持てるので、上述の形状も相まって浮かせやすい。LEDはホイールの隙間から出る光のみ。前世代の「DM1 PRO S」はロゴが光っていたのだが、これが微妙に熱を帯びるため、廃止したのではないかと思う。僕は使っていて特に問題はなかったのだが、手汗をよくかく人にとってはあまりよくなかったかもしれない。

ソール
ソールは上側に大きめが一枚、下側の両端に小さめが二枚という構成。ソール自体は他のマウスよりも比較的大きいため、ハイセンシ寄りに作ってある。ただ、使い始めはよく滑ると感じた。ローセンシのハードユーザーでも1週間ほどは使えるのではないだろうか。僕はしばらく使ってから小さいものに張り替えた。

付属品
付属品はソールと説明書。短所にも記載しているが、ソールには保護のためにビニールが貼ってあり、気づきにくいので、できれば説明書に絵だけでなく、文字で書いてほしかった。

実写画像

リフトオフディスタンス検証

リフトオフディスタンスとは、マウスを持ち上げた時にセンサーが反応しなくなる高さのこと。布製とプラスチック製のマウスパッドを用意して、0.1mmのコピー用紙を重ねていき、リフトオフディスタンスを検証した。結果は以下の通り。多くの布製マウスパッドで1.3mm以下という優秀な結果に。公称1.8mm以下は伊達ではなかったということか。特殊な織り方をする疾風 甲は1.6mm、プラスチックのG440tは1.6mmと若干長いが十分だろう。センサーが新しくなったからか、前世代の「DM1 PRO S」よりは0.2mmほど長いという結果だが、乗り換えて違和感は全くなかった。

布製マウスパッド
・SteelSeries QCK:1.2mm
・Artisan 疾風 甲:1.6mm
・Artisan 零:1.3mm
・Xtrfy GP4:1.3mm
・Roccat Dyad:1.2mm

プラスチック製マウスパッド
・Logicool G440t:1.6mm

重量と直線補正

実際に重量を計測すると、公称通り83gであった。また、ペイントに文字を書いて直線補正を調べたのが下図である。デフォルトで直線補正がかかっているようには感じなかった。

センサー性能のチェック

MouseTester 1.2を使ってセンサーのトラッキング性能を調べた。2.5秒の間に思いっきり早く円を5回描いて、どれくらいマウスが追従しているのか、グラフにしている。結果は以下の通りだが、どのDPIでも全然ぶれておらず、非常に優秀なセンサーであることが分かる。

800DPI以上のリンク
800 / 1600 / 2400 / 4800 / 16000

分解して中身を確認

このマウスの構造はかなりシンプルになっていて、軽いのも納得の作りだ。開けてみるとセンサーやLEDを覆うように遮光のガムテープが貼ってあった。センサーが誤動作しないようにしているようだ。

センサーはPMW3389。左右メインボタンは耐久回数2000万回のHUANO製ブルースイッチ。ホイールボタンは耐久回数不明のHUANO製ブラックスイッチ。サイドボタンはNKKスイッチズ(旧日本開閉器工業)製のMWK 14。DPIスイッチはメーカー不明のタクトスイッチ。マイクロプロセッサはHOLTEK製の「HT68FB560 B817K00BWG4」。ホイールエンコーダーはTTC製。ネジの位置はソールの下の四隅にひとつずつ。

専用ソフトウェア

DreamMachinesの公式サイトからドライバをダウンロードしてインストールした。この会社は包括的なソフトウェアではなく、マウスごとに違ったソフトウェアを用意している。これによってできることは他社製と変わらない。ボタン変更、マクロ、レポートレート切り替え、DPI、LEDの設定など。わかりやすくて使いやすいと感じた。

総評

総括するとDreamMachines社の「DM1 FPS」は柔らかいケーブルや豊富なカラーバリエーションを備えたSteelSeries Senseiのクローンモデルと言える。最新のセンサーを搭載し、小型かつ軽量で多くの人に刺さるマウスと言えるので、新しいマウスが欲しくなったら一考してみてほしい。

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